「いとう」という言葉が持つ意味は?

本日は、日本語の正しい意味について考えていきましょう。

 

残暑厳しき折、お身体をおいといください。

この「いとう」にはどんな漢字を使うでしょうか。

 

正解は「厭う」です。

あれ、「厭う」は「避ける、嫌う」という意味ではなかったでしょうか。

「身体を嫌う」ってどういうこと?

 

確かに、辞書を調べると「好まないで避ける。いやがる。」という意味が出てきます。

また、「この世を避け離れる。出家する。」という意味もあります。

(ちなみに徳川家康の旗印は「厭離穢土欣求浄土」でした。)

 

一方で、「いたわる。かばう。大事にする。」という意味も掲載されています。(以上広辞苑)

和英辞典には、「厭う」に対し mind, unwilling to, avoid(嫌がる、避ける) と合わせてtake care of(いたわる)という英訳も掲載されています。

何故こんな相反するような意味が1つの漢字に含まれているのでしょうか。

 

精製版 日本語大辞典によると、

「もともとは、人を対象にして、嫌悪や忌避の感情を表わす語であった。

 中古以降、物事を対象に、嫌悪を感じてそれを避けるという行為を表わす用法が中心的になる。」

との説明がありましたが、よく分かりません。

 

いろいろ調べてみると「(病気や危険なことを)避けて大事にしてください」から来たのではないかとの説明がありました。そう考えると少し納得しますね。

 

未だコロナ禍が続いています。お身体をお厭いください。