特許文書に特化した中国語翻訳ソフト「J北京 特許翻訳エディション」を活用して業務効率が飛躍的に向上したという、千葉県のA社様の事例をご紹介します。
近年、中国を含めた非英語圏の特許出願数が急増しており、知的財産戦略や特許調査の重要性が高まっています。膨大な数の特許公報から必要となる特許情報を効率的に絞り込むためには機械翻訳ツールの活用はかかせません。中国の特許情報調査には、これまで「J北京7 エキスパート」を使っていましたが、特許文書の翻訳に最適化した翻訳エンジンを搭載しており、文法解析ルールも特許文書向けにチューニングされている「J北京 特許翻訳エディション」に切り替えました。特許用語辞書が新しく追加され、専門用語辞書も大幅に増えている点も魅力でした。
これまでの請求項の調査作業は機械翻訳の結果を参考にしながら、最終的に中国語が分かる人に確認や修正をしてもらっていましたが、現在は翻訳精度があがっているため、他人の手を煩わせることなく対応することができるようになりました。
中国特許データベースで検索しダウンロードした表形式のリストをExcel上で「アドイン翻訳」機能を使って翻訳しています。「アドイン翻訳」はExcel、Word、Internet Explorerといった各種アプリケーションに翻訳機能を組み込んで、翻訳をおこなう機能です。よくわからない訳が出てくることもありますが、そのときは「J北京 特許対訳エディタ」に該当文をコピー・アンド・ペーストして翻訳するようにしています。ユーザー辞書登録、複数の訳語から適切な訳語を選択できる「訳語選択」、「デジタルマルチ大辞典」を使いながら、内容理解に努めています。
翻訳精度を向上させるにはユーザー辞書の蓄積も重要だと考えています。これまでの中国特許調査の過程で蓄積してきた1万語以上もの中国語と日本語の対訳データを本ソフトに取り込んで使用しています。用語の登録はひとつずつ行うこともありますが、Excel上から簡単な操作でデータを一括してインポートすることができますので非常に便利です。ユーザー辞書ファイルも分野ごとに分けて作成しておくことができて、原文の内容や分野に応じてユーザー辞書ファイルを切り替えて使っています。
また、見出しと本文の訳し分けをおこなうことができる「タイトル翻訳モード」は、主に動詞よりも名詞を優先した翻訳結果を出力する仕組みになっていて、会社名、人名、発明の名称なども適切に表示されるので大変助かっています。
本ソフトを利用してから作業時間を大幅に削減することができました。その結果、これまでは業務の範囲外だった明細書の翻訳・調査に関する作業をおこなう時間も確保することができるようになりました。
今後は、特許用語や専門用語辞書が新たに搭載された韓国語翻訳ソフトの新バージョン「Jソウル9」にも期待しています。