北京への出張 飛行機で観た映画タイトルをついつい翻訳チェック

6月上旬に中国出張があり、羽田→北京に飛んだ。約4時間のフライトなので、機内エンターテインメントを楽しむことにし、「택시운전사 タクシー運転手 約束は海を越えて」を観た。機内誌の紹介文には、「戒厳令下の1980年、民主化を叫んで蜂起した市民が弾圧された光州事件を題材に(中略)2017年韓国興収No.1ヒット作。」とある。当時の戒厳令下の韓国について少しは見聞きしたことはあっても、それを素材にした書物を読んだことも作品を観たこともない。それでも1970年代前半に初めて韓国に行き、学生運動が盛んだった90年代前半にはひと夏をソウルで過ごしたため、「知りたい」という欲求はそれなりに、ある。

映画のあらすじや評論は専門家に譲るとして、おそらく今となってはラストシーンが事実、もしくは史実を忠実に再現しているかどうかは知る由もない。しかしそれとは無関係に、映画自体は鑑賞に値する作品だったと思う。ただ、事実がラストシーンとは正反対で、もしもその場面が、かろうじて残されていたドキュメンタリー映像で代用されていたとしても、それはそれで心温まるフィナーレになったかもしれない。

職業柄、タイトルの訳が気になるので、共有させて頂くことにする。
邦題には「タクシー運転手 約束は海を越えて」とドラマチックなサブタイトルが付いているのに対し、
英語は「A Taxi Driver」
中国語簡体字は「出租车司机」(タクシー運転手の意)
中国語繁体字は「我只是個計程車司機」(私はただのタクシー運転手の意)
と一様にシンプル。しかしながら、中国語繁体字のタイトルが、もしかすると主役の心情やその行いを、サブタイトルを用いることなく、もっとも的確に表現しえているような気がする。

ご参考サイト
https://www.jal.co.jp/inter/service/entertainment/jal_mooove/1806/html5.html#page=25