社内インタビューを実施! スポーツ協会のレポート翻訳編

社内インタビューを実施! スポーツ協会のレポート翻訳編

 

このblogをお読みいただく前に、用語のおさらいをさせて頂きます。

ローカライゼーションとは?

ある製品やサービスなどを他の国でも使用できるよう、

その国の現地語に対応させること。

 

Memsourceとは?

翻訳支援ツールと呼ばれるジャンルのクラウドサービスで「メムソース」と読みます。

過去の翻訳資産を有効活用したり、用語を統一したりすることができるようになります。

 

HMT(Human & Machine Translation)とは?

    高電社が独自に開発したAI翻訳ソフトウェアと各種言語処理ツールを人の手による翻訳や

    ポストエディットと組み合わせ、高い翻訳品質を低コスト・短納期でご提供するサービスです。

    なお、Memsource上で「高電社 kode-AI」をお選び頂けます。

 

 

~(早速インタビュー開始!)~

 

ローカライゼーションにおいて、機械翻訳の需要が益々高まる中、

どのように機械と人の手を活用していくのか。

本日はスポーツ協会のレポート翻訳編と題し、インタビュー内容をお届けします。

 

なぜポストエディットか


筆者:某スポーツ協会が定期的に発行しているレポートの翻訳をHMTで対応したとうかがいました。

 

PM(A)(※プロジェクトマネージャーの略(以下、PMと記載)):

はい、今回は英語→日本語の和訳案件でした。

機械翻訳し、その結果を人の手で修正するポストエディットで対応しました。

機械翻訳+フルポストエディット+結果のダブルチェックという工程になります。

 

筆者:スポーツ協会が定期的に発行しているレポートというと、すでに過去のレポートの和訳が存在したと思うのですが、

新たに翻訳することになった特別な理由はなにかありましたか?

 

PM(A):以前に他社が翻訳した和訳は直訳調で読みにくくクライアントが満足していないというのが主な理由でした。

 

筆者:そういうことだったのですね。ではなぜ、HMTで対応することになったのか、サービス提供に至った経緯を

聞かせてくれますか?

 

PM(A):弊社クライアントから、競合他社とのコンペ案件かつ今後の仕事量を左右する案件のため

できるだけ安価な提案がほしい」との要望がありました。

要求品質レベルについてヒアリングした結果、ポストエディット(機械翻訳+フルポストエディット+クロスチェック)を

提案しました。希望納期まであまり時間がなかったこともあり、人手で翻訳するよりも納期短縮およびコスト削減

実現できる本提案が採用されることとなりました。

 

筆者:機械翻訳と人の手による翻訳・チェックを組み合わせることにより納期の短縮が可能だったということですね。

作業の中で行った工夫は何かありますか?

 

PM(A):参考資料として支給された過去の対訳データ(英語版/日本語版それぞれの単言語で完成している

ワードファイル)から文章を抽出して1文単位でアラインメントし、対訳コーパスを作成しました。この作業により、

MemsourceのTM(翻訳メモリ)として取り込めるようになり、過去の原文データと同一あるいは類似する文章について、

対応する過去の訳文データを参照しながら翻訳できる作業環境が整備できました。

 

筆者: TMとして取り込み、類似する文章は以前の翻訳データを参照しながら作業ができるのが大きなメリットですね!

 

PM(A):事前にTB(用語集)を整備する時間はなく、あいにく対応はできませんでしたが、翻訳作業と並行して随時、

用語集の作成を進めたことで、作業完了後のチェック作業(専門用語の訳語が統一されているかどうか)を効率的に

進めることができたことも非常に良かったと思います。

 

意外な落とし穴

 

筆者:では逆に、作業中に直面した困ったことや難しかった点があれば教えてください。

 

PM(A):NMT(ニューラル機械翻訳)の品質が向上し翻訳結果が安定するようになったことで、一見問題ないように

「見える」訳文も少なくなく、NMTで発生しやすい訳漏れや文脈の読み違いを見落とさずに修正するスキルが必要とされました。

また、ドキュメントに含まれる画像データが非常に多く、当該箇所は手作業でテキストボックスを載せる処理になるため、

翻訳以外の作業に要する工期もかかりましたね。

 

筆者:弊社の翻訳者・チェッカーは翻訳の高いスキルを有しており、品質には定評がありますが、今回はその強みを遺憾なく

発揮した案件と言えるのではないでしょうか。

 

PM(A):はい。さらにそのスポーツを趣味とする社員がおり、和訳した結果だけを読んで自然な表現になっているかどうかを

チェックし、不自然な表現については英語の翻訳担当者に確認するところまでを社内で完結できた点はよかったと思います。

 

筆者:この案件の後日談などがあれば聞かせてください。

 

PM(A):翻訳成果物の納品後、同案件の今後の継続発注に向けて、対訳コーパスと用語集作成の追加オーダーを受けました。

次回発注の際には、今回の成果物をTM、TBとして有効活用して、より一層のコスト削減と納期短縮を実現できることを

見込んでいます。

明日はMemsourceの活用についてのインタビューをお届けします!お楽しみに。