あの通訳アプリがバージョンアップ!開発者に聞いてみました

高電社ブログをご覧のみなさんこんにちは!

理系が大の苦手!
技術用語に詳しくない営業アシスタントの佐竹が、弊社の技術開発者に突撃インタビューをし、対談形式でお送りする高電社開発室ブログ!

みなさまに弊社のサービス開発内容やリリース情報など、様々な情報を、できるだけ分かりやすくお伝えしながら、自らも技術について勉強していこう!というこのブログ(`・ω・´)

お待たせしました!第2回目のテーマはこちら☆
『あの通訳アプリがバージョンアップしちゃいました!』

そうなんです、実は弊社のリアルタイム音声通訳アプリ「My通訳アシスト」がさらに使いやすくバージョンアップしました!

そして、こちらが「My通訳アシスト」のアプリアイコン ↓

なかなかかわいいアイコンです。

さて、本日はこの方!
出発前日に海外旅行を計画し、急遽台湾に行ってきた超行動派!
開発3課の柴田さんに開発エピソードをうかがいます。

早速インタビュ―――――! と行きたいところですが、まずは「My通訳アシスト」とは何なのかについて簡単にご説明いたします♪

目次

リアルタイム音声通訳アプリ 「My通訳アシスト」とは?

「2020年、訪日外国人旅行客を4,000万人に」という日本政府の新たな観光ビジョンのもと、各自治体、宿泊施設、飲食店、小売店などが精力的にインバウンド対策を行っています。
大阪をはじめ、関西でもたくさんの外国人の方々が、楽しそうに観光をされる姿を本当によく目にします♪
そんな中、外国人観光客が旅行中、困っていることとして「施設等のスタッフとコミュニケーションがとれない」ということが多く挙げられています。
(参考) 観光庁 旅行の場面ごとの多言語表示・コミュニケーションの課題が明らかになりました。
~多言語表示・コミュニケーションの受入環境について訪日外国人旅行者にアンケート調査を実施~

「ホームページの多言語化はもちろん、施設内の無料Wi-Fi環境も準備しました。
でも現場でお客様とのコミュニケーションに苦戦しています...」

こういったお悩み、多いのではないでしょうか?
このコミュニケーション問題は訪日外国人観光客も、そして受け入れる側も双方が困っているということなんですね。
そんなお悩みを解決するのが、この「My通訳アシスト」です。

受付や店頭などに、このリアルタイム音声通訳アプリ「My通訳アシスト」がインストールされているタブレットなどの端末を置いていただき、端末に向かって話すだけ!

◇外国語で話しかけると 日本語に翻訳→日本語で発話
◇日本語で返事をすると 外国語に翻訳→外国語で発話

音声認識をして、即時翻訳・音声出力が可能、とても使いやすい便利なアプリ♪ 対応言語は現段階で 日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語の4言語です。

旧バージョンの ‘あの点’ を改善!

この「My通訳アシスト」がどのようにバージョンアップしたのでしょうか?
本題に入っていきたいと思います~

佐竹:柴田さん、よろしくお願いします!(`・ω・´)

柴田:よろしくお願いします。

佐竹:緊張しているようですが、リラックスしてお話ししてくださいね♪
ではインタビューに入っていきたいと思います!まず、リアルタイム音声通訳アプリ「My通訳アシストV2」のバージョンアップに至ったきっかけを教えてください。

柴田:そうですね、まずは近年の訪日外国人旅行客の増加によって、似たようなアプリが色々あるという現状から、他のアプリと差別化したかったということがあります。
またMy通訳アシストをすでに導入しお使いいただいているお客様に対し、コストを上回るだけのメリットを提供したかったんです。

佐竹:いずれもお客様満足に繋がる非常に大事なポイントだと思います。

柴田:あと、ニッチな需要に対して柔軟に応えられる機能を付加することで、お客様各々が、「使いたい」と思う、多様な場面・用途でお使いできるものを提案したかったんです。

佐竹:ユーザビリティを第一に考えての今回のバージョンアップなんですね。それでは以前のMy通訳アシストと比較しどの点がバージョンアップしたのか教えてください。

柴田:まずはレイアウトの部分を見ていただきましょう。

佐竹:旧バージョンと比較すると、テンプレートという項目が増えていますね!

柴田:そうです、この「定型シナリオ機能」については後ほどご説明します。

3つの機能を刷新!さらに便利に使いやすく

佐竹:先ほどインターフェースのレイアウト変更について旧バージョンと比較して確認しましたが、今回のバージョンアップ、機能面では具体的にいったいどの点がバージョンアップしたのでしょうか?

柴田:大きく3つの機能をピックアップしご説明します。
1.定型文機能
2.定型シナリオ機能
3.専用インターフェース画面

この3つが今回のバージョンアップのポイントです!

佐竹:ふむふむ、まずは1つめの「定型文機能」について解説をお願いします!

ポイント1)「定型文機能」とは?

柴田:会話の各場面において、出現頻度の高いフレーズというのは必ず存在しますよね。たとえば飲食店での接客シーンを思い浮かべてください。「いらっしゃいませ」から始まり、「こちらでお召し上がりですか?」 「お会計は○○円です。」など必ず使用されるフレーズがあると思います。
定型文とは、これらのフレーズを日本語と、人力翻訳(人の手による翻訳)による外国語の対訳をあらかじめ登録した文章データのことです。※1

佐竹:1つの文章に対しての、日本語と外国語の対訳を定型文というんですね!

柴田:そうですね。登録しておいた定型文はボタン操作、またはその文章を端末に向かって話すことで呼び出せます。すると対で登録しておいた外国語の訳が音声合成で読み上げられ、その場で通訳の役割を果たしてくれます。

佐竹:頻繁に利用が想定されるフレーズから、いざという時のためのフレーズまで、定型文として登録しておけば安心ですよね。

ポイント2)「定型シナリオ機能」とは?

柴田:2つめのポイントは「定型シナリオ機能」という機能です。

佐竹:「定型シナリオ機能」ですか、これはどういう機能なんですか?

柴田:会話シーンに合った定型文の流れをボタン操作ひとつで呼び出すための機能です。
先ほど例に挙げた接客シーンだと、「いらっしゃいませ」 「こちらでお召し上がりですか」というフレーズの出てくる順番は決まっていますよね。
この順序を1つのシナリオとしてアプリに覚えさせ、シナリオ通りに定型文を次へ、次へと呼び出す機能、それが「定型シナリオ機能」です。

佐竹:すごく便利な機能ですね!先ほどの「定型文機能」ですでに会話のフレーズは登録されているので、あとは回答する必要がある内容に答えるだけで、簡単に会話が構成されますね。

柴田:画面の「次へ」ボタンを押すだけで、次の台詞が読み上げられるのでニッチな場面での高いパフォーマンスが期待できます。もちろん会話の順序を入れ替えたりすることも可能ですよ。


対話のシナリオを事前に用意しておくことで、相手から回答を簡単に得ることができます。
たとえば、迷子になった外国人を探す場合には、名前、性別、年齢、服装などを聞き出していくと、最終的に外国語の文章が出来上がります。
タブレットを放送機器に接続して館内スピーカーを通じてアナウンスすることも可能です。
また、大規模な地震などの緊急時に災害弱者となりやすい外国人に対して避難情報を円滑に伝えることができます。

佐竹:質問に答えていくだけで、案内したい文章が完成するという点もシンプルで、誰にでも使いやすいですね。

ポイント3)「専用インターフェース画面」とは?

佐竹:3つ目のバージョンアップポイント「専用インターフェース画面」とは、定型文を表示するときの専用画面のことですか?

柴田:そうです。下の女性運転手が遅延をお詫びしている画面です。

柴田: 定型文はメインの一覧画面ではなく、専用の画面に分かりやすく表示するようにしました。文字だけでなく画像や動画も表示できます。

柴田:もともとは質問型の定型文に対する回答入力のために作った機能なんですけど、ほら、一覧画面の一番下の箇所に質問文がポンッと表示されても、このアプリを初めて使う外国のお客様はどう操作して回答していいか、分からないですよね。

佐竹:ましてやお子様の迷子や、何か落し物をしてしまった時などは、落ち着いて操作できる余裕もないかもしれませんね。

柴田:そのような懸念もあったので、質問文が一つの画面に表示されてなおかつ、同じ画面に回答するためのボタンやプルダウンがあれば、誰でも直感的に操作できるだろうと考え、今回のバージョンアップ画面に至りました。

佐竹:確かにこれなら、何に対して、何を回答すればいいのか、操作も含め明確です!

柴田:また、文章だけでなく案内の内容に応じた画像や動画も一緒に表示したほうが、よりメッセージとして相手に伝わりやすいと思ったので、すべての定型文を専用インターフェース画面で表示できるようにしました。

佐竹:その場面に合ったイラストや動画を流すことで、視覚情報として入ってきやすいですね!

柴田:例えばタクシーのお会計の場面で「領収書をお取りください」というメッセージと一緒に、レシートが出てくる動画を出したり、他にも活用用途は幅広いと思います。

佐竹:ユーザー視点を大事にした、非常に使いやすい仕様になったと思います!
完成に至るまで、大変な面もあったと思います。その辺りをお聞かせください。

開発裏話を聞きました!

佐竹:今回の開発を通じ、何か工夫した点はありますか?

柴田:今回に限った話ではありませんが、
・ いかにシンプルに組み込むか
・ 使う人の立場に立って、初めて製品・サービスを使う人が苦労なく利用できるように
ということを常に意識しています。

佐竹:私もこういった機械の操作とかすごく疎い方なので...(笑)シンプルに使えるというのは重要なポイントだと思います。

柴田:ええ、外国人のお客様の利用を想定したサービスなので、やはりその点は意識せざるをえなかったですね。スマホでの入力もできるので、認識がうまくいかなかった場合にも対応できます。

佐竹:旧バージョンとの互換性を維持しつつの開発だったと聞いています。開発中大変だったことはありましたか?

柴田:そうですね、新しい機能を組み込むだけではなく、旧バージョンの機能は今まで通り、使えるようにしたかったので、それをいかにシンプルに両立させるか。色々と試行錯誤しました。

佐竹:なるほど!今回のバージョンアップ、ずばり目玉機能といいますか、柴田さんが自信を持っておすすめできる機能はなんですか?

柴田:全部です!…とお答えしたいところですが、あえて一点に絞るなら「専用インターフェース画面」でしょうか。質問に対してボタンやプルダウンで回答ができるようになったことは大きいと思います。

佐竹:私も旧バージョンと比較して、その点は非常に便利になったと感じました。どの質問に答えるのかも分かりやすくなりましたし!

柴田:そうですね、ホテルや旅館の受付やデパート・遊園地の案内放送、バスやタクシー内でのやり取りや、観光案内所・インフォメーションセンター、医療機関など、外国人のお客様が多く利用、訪れる場面で幅広く活用していただけると思います。

佐竹:「空欄補充機能」という機能もあると聞きました!

柴田:はい、空欄箇所のある定型文に対する、入力機能のことですね。
空欄箇所のある定型文とは「お会計は○○円です。」「○○歳の○○が迷子になっています。」といった定型文のことです。この○○の部分が非常にポイントなんです。当然○○の部分を入力しなければ、上記の定型文は使い物になりませんよね?

佐竹:はい。ではどのように入力して文章(定型文)を完成させるんですか?

柴田:前々回にお話しした定型シナリオ機能を使って、シナリオに沿って相手に○○の部分を質問するだけです。逆に、「お会計は○○円です。」という場合は自分で○○の部分を答えると、文章が完成します。

佐竹:なるほど~!これなら名前や時間、場所だけがちがう、似たような放送分をいくつも登録する必要がなくなって便利ですね。

柴田:また、○○の部分にどんな単語が入ったかによって、所有格も自動的に変更されます。
たとえば、「○○とご両親」という空欄がある文章ですと、
・「男の子(boy)」で入力された場合→A boy and his parents
・「女の子(girl)」で入力された場合→A girl and her parents

佐竹:おお~~!下線部が対応して所有格が変更されていますね。
これなら文法的にも安心して使えます。

社外秘情報?!今後の開発予定

佐竹:今後の開発、バージョンアップの予定や計画について教えていただけますか?

柴田:あまり詳しくは機密情報なので(笑)お答えできませんが、対応言語の追加やオフラインでも使用できる開発を検討しています。この2点は近いうちに対応したいと考えています。
あと、複数端末によるミラーリング操作(複数端末で同一画面の共有ができること)への対応も検討中です。

佐竹:貴重な情報をありがとうございます!!お客さんから、「Wi-fiの環境がなくても使えたら便利です。」というご意見をいただいたことがあります。是非がんばって開発してください♪

柴田:はい、がんばります!

佐竹:では最後に、開発担当者として、このリアルタイム音声通訳アプリ「My通訳アシストV2」にかける熱い想いをどうぞ!

柴田:「音声入力」「自動翻訳」「音声合成」という3大機能を、やや持て余している感のあった初代のMy通訳アシスト。
バージョンアップによってそれらをフルに活用し、より実用的な上位バージョンに生まれ変わりました。
「使えるアプリ」「使えないアプリ」、その違いは紙一重です。ほんの少しの工夫と発想で変えられるものだと信じています。
これからも、実際に導入していただいたユーザー様からの声も反映させていければと考えています。

佐竹:ありがとうございました。今回は新しくなったリアルタイム音声通訳アプリ「My通訳アシストV2」について開発者の柴田さんにお話を伺いました。
今後の開発予定についても知ることができ、期待が高まります!

今回ご紹介した、リアルタイム音声通訳アプリ「My通訳アシスト」について、ご不明点やご質問ございましたら、是非お問い合わせください。実際の操作方法やデモのお問合せもお待ちしています!