グローバル化社会に素敵な出会いを求めて

グローバル化社会に素敵な出会いを求めて

異文化に接する前、私たちはついつい不安がったり、時には先入観を持ってしまったりします。
しかし、何らかのきっかけで、「え、そうなんだ!」と今まで持っていた疑問が一瞬で解けて、一つの異文化知識を得た喜びを感じたことはありませんか。
価値観、伝統、風習などの異文化に触れて、お互いに尊重し合う、そのような爽やかな風に吹かれるには出会いを求めることが大事ですね。

日本はグローバル化社会で知られています。
思い出せば、私も外国人の一人として、長い間日本で暮らしています。
日本に来た頃、日本語は片言しかできなくて、常に不安と疑問などを感じていました。
未だに日本語堪能ではありませんが、世界観を広げるため、素敵な出会いがありますように、とひそかに願っています。

ここでまず一つ、私の素敵な出会い話を聞いてください♪

一昨年の秋のある月曜日の朝、ちょっとひんやりした風の中、 私は一人のおじいさんと一緒に駅のエレベータに乗りました。
エレベータの中で、私は絶句するほど、そのおじいさんの帽子に目を奪われました。あれこれいろんなカラフルなバッジをつけてあって、見事な鮮やかな帽子でした。
数日後に、おじいさんとまだ同じエレベータで出会ったときに、私はつい「素敵な帽子ですね」と声をかけました。
すると、おじいさんが満面の笑みで、お気に入りの日本五大紋の一つである家紋バッジを見せてくれました。
五大紋のそれぞれの図案も教えてくれました。
あれから一年間、毎週月曜日と木曜日、おじいさんと欠かさずにそのエレベータで出会います。
おじいさんは趣味多様で、自作の梅の開花リポート文章が載っている新聞の一面をくれたり、書道の作品を見せてくれたりしていました。どれも素晴らしい作品です。
趣味のことはもちろん、気象、経済、政治まで、いろんなことを面白く話してくれました。
エレベータに乗ってからエレベータを降りたあとの2分ぐらいの立ち話で、私たちは「エレベータ親友」になりました。

一年後、私の出勤時間が急にずれて、おじいさんと会えなくなりました。
あの頃、おじいさんに会うため、常に走っている私に、おじいさんがエレベータの開ボタンを押し続けながら、「走らんでいいよ、待っているから」と声をかけてくれた姿は忘れません。
このエレベータの出会いから得たものは私の心を豊かにしてくれました。

これから、私は再びあのおじいさんに会えますように、そして、いろんな素敵な出会いがありますように、と期待しています。